やまがた海洋塾の最終日、A班とB班が合同になり海についての学びを深めました。
庄内浜を救うヒントとは?低未利用魚って何?
漁獲量が著しく減ってきている昨今、今まで廃棄または漁師のみが食してきた「低未利用魚」の活用と付加価値向上を図っている例を庄内浜を救うヒントの一つとして、山形県の水産研究所の研究員さんにご講演いただきました。低未利用魚を原料とした魚醤の紹介やどうやったら付加価値を向上していけるか子どもたちに一緒に考えてもらいました。学んだあとは実際に低未利用魚ってどんな魚なのか、実物に見て触って体感してもらいました。グロテスクな容姿や衝撃の手触りを直に感じた子どもたちは悲鳴や歓声をあげ楽しんでいる姿が印象的でした。
頭と体を使って学びの共有 シーアクティビティ!
A班B班それぞれの学びの共有を目的としてシーアクティビティを取り入れたオリジナルゲームを実施しました。A班、B班それぞれが学んだことをクイズにし、A班B班混合の2チームで争います。クイズの答えをゲットする為にメガSUPに乗ってチーム毎で海に繰り出します。初めて挑戦するメガSUPの操縦に子どもたちは戸惑いながらも仲間と一緒にクイズの答えをピックアップしていました。答えを持ってきたら、なぜその答えを選んだかを発表して学びを共有しました。
体も頭も使って、加茂地区の海を体感した子どもたちはこの楽しい海を未来へ紡いでいく為に、家族、友達とまたここに戻って来たいという思いも込めて最後に大きな声で海に御礼をしていました。
旬の食材と地元の食材を食べる意味とは?漁村の食文化!
地元の恵みを美味しい時期にいただく「浜のご飯」は、先人達が地元(庄内浜)の文化を守るために工夫して紡いできた大事な「アイデア」の一つです。
子どもたちは浜のお母さんたちの手作りご飯を美味しくいただくとともに、なぜ地元の食材を食べることに意味があるのか、旬の時期に食べる意味があるのかをクイズ形式で学びました。事業開催地の「加茂地区」独特の文化「北前船文化」を知り、より食文化について学びを深めました。
想いを形に…アウトプット制作体験
海洋塾の卒業制作(アウトプット)として、「庄内浜の味噌玉(仮)」を販売します。
子どもたち一人ひとりが海洋塾で学んだことをイラストに書き起こし、そのイラストが商品パッケージに掲載され想いや学びを伝播していきます。
子どもたちは実際に味噌玉調理体験も行い、前段で学んだ低未利用魚の魚粉が入った味噌などベースとなる味噌3種に、庄内浜の海藻や県内産の薬味など自分の好きな具をトッピングすることでオリジナルの味噌玉を楽しく制作しました。完成した味噌玉は各自お土産として持ち帰ってもらい、海洋塾でどんなことを学び、何を感じ、これからどのように行動していくか等を家族や友達と話しながら食べてほしいという想いが込められています。
海洋塾で学んだことを未来へ:学びの共有・卒業式
卒業式を迎えた子どもたちは、それぞれ多くの思いを胸に抱き佐藤塾長から卒業証明書を受け取りました。卒業式の前には、海洋塾を通して庄内浜の海を未来へつないでいく為のアイデアを学び、各々で考えた想いを力強く仲間たちの前で発表しました。「低未利用魚」「藻場」「海山川のつながり」など学んだことを今後の生活の中でアクションとして取り入れていくことに意欲を見せ、元気よく発表する姿は参加者の子どもたちの成長を感じさせるひと時でした。
海洋塾で学んだこと、出来た仲間は10年後、20年後も子どもたちの大きな財産となり、庄内浜の海を未来に紡いでいく人財として活躍してくれることを願っています。