宮城県との県境に位置する最上町・堺田地区。
ここに封人の家(ほうじんのいえ・国境を守る役人の家)があります。
俳人松尾芭蕉が門人の曾良を伴って仙台領・尿前(しとまえ)の関を越え、出羽の国へと旅路を急いだ際に大雨のために仕方なく二泊三日、この家に滞在したと言われています。
『蚤虱(のみしらみ)馬の尿(ばり)する枕もと』人馬が一つの家で寝食を共にする様子を詠んだ芭蕉の句の背景には、この地が馬の産地であり馬を大切に扱う生活環境があったようです。
その封人の家のすぐ近くに全国でも珍しい、目に見ることが出来る『分水嶺』があります。
北から流れてきた水が突き当たりで東と西に別れ、東側(宮城県)は116Kmを下り、宮城県石巻市の太平洋へ。
西側は小国川、最上川を経て102Kmを下ると山形県酒田市の日本海へ注ぎます。
同じ流れの水もここで一度別れ、東は太平洋、西は日本海へと流れ込み、いつか大海原で出会うのです。
なんかロマンチックですよね。