鶴岡市立加茂水族館内の魚匠ダイニング「沖海月(おきみづき)」が、庄内沖で水揚げされたクロマグロの卵を使った「からすみ」の販売を始めました。100グラム入り真空パックで価格は税込み2,500円。日本酒やワイン、ビールのつまみはもちろん、お茶漬けでも楽しめる一品です。
庄内沖では近年、100キロを超える大型本マグロの水揚げが増加し、東京・豊洲市場にも出荷されています。「庄内産マグロの魅力をさらに広めたい」との思いから、沖海月の須田剛史料理長(50)が製法を工夫しながら完成させました。
今年6月に漁獲されたクロマグロの卵を塩漬けし、約5カ月かけて自然乾燥。ほどよい塩味とマグロ特有の深いコクが楽しめる“庄内発のからすみ”に仕上がりました。着色料などの添加物は一切使用していません。須田料理長は「マグロの卵はボラより水分が多く、塩加減や乾燥の具合に苦労した。色合いを自然に出すのも難しかった」と振り返り、「軽く炙ると香ばしさと旨味がさらに引き立つ」と話しています。
加茂水族館は来春のリニューアルオープンに向け、11月1日から一時休館に入りますが、「沖海月」は12月6日から来年2月末まで、鶴岡市末広町の複合施設「FOODEVER(フーデバー)」内で営業を続けます。移転先でもマグロのからすみを購入することができます。
庄内の海が育んだ新たな珍味。料理人の情熱が詰まったマグロのからすみは、冬の食卓を一層豊かにしてくれそうです。