遊佐町への移住・定住の促進や関係人口の拡大を目的とした宿泊体験ツアーが先月30日までの1泊2日で、酒田市と遊佐町の両市町内で行われました。全国から応募者が訪れ、箕輪鮭(さけ)採捕場(同町直世)を見学したほか、田園風景や丸池様などの豊かな自然を満喫しました。
町では2016年度からIJUターンの促進に向けて、希望者を対象とした宿泊体験ツアーを実施しています。今回は移住を検討する前段階として、地域の魅力や移住者の暮らしに触れる機会をつくろうと、歌手で酒田市と東京都を拠点に活動する白崎映美さんと共同で、「大人の修学旅行」と題した初の宿泊ツアーを企画しました。
ツアーには首都圏を中心に、鹿児島県からの参加者も含め22人が参加しました。初日は地元住民による民話の披露や移住者との交流会を楽しみ、町内の温泉で宿泊。2日目に訪れた箕輪鮭採捕場では、運営する箕輪鮭漁業生産組合の佐藤仁組合長から説明を受けながら、鮭の採捕やふ化場の様子を見学しました。タモ網で勢いよくすくい上げられる大きなサケや、採卵・受精後に手際よく処理されていく様子に、参加者たちは興味深く見入っていました。
鹿児島県屋久島町から参加した小原比呂志さん(63)は、「普段から馴染みのあるサケですが、採捕の現場を見るのは初めてで、水揚げの迫力には心が躍りました。遊佐町の水や食の豊かさから、自然の循環を強く感じました」と感想を語りました。案内役として同行した白崎さんは「庄内の良さを知って喜んでもらえたらうれしいです」と話しました。
一行はその後、道の駅ふらっとや酒田市内を巡ってから帰路につきました。
自然と人の営みを体感できるツアーは、地域の魅力を知るきっかけとしてとても貴重ですね。