9日は「大黒様のお歳夜(としや)」にあたり、鶴岡市内の鮮魚店では、この日に欠かせない縁起物であるハタハタの田楽作りに忙しく取り組んでいました。
庄内では古くから、豊作と子孫繁栄を願って「ブリコ」がたっぷり入ったハタハタの田楽をはじめ、納豆汁や黒豆、なますなどを食べる風習が受け継がれています。
主役となるハタハタは、近年の海水温の影響で不漁が続き、仕入れ値が上がっています。創業157年を迎える老舗「梅津鮮魚店」(鶴岡市本町三丁目、梅津亮一店主)では、秋田産のハタハタを取り寄せ、この日午前5時から焼き作業を始めました。
同店によると、ハタハタは1匹950円から1500円ほどで、昨年より1割ほど高くなっているといいます。店の人は「昔より値段が上がった分、購入する匹数を控えるお客さんも増えましたね。『大黒様』を迎えると、今年もいよいよ終わりだなと感じます」と話していました。
変わらない風習の中にも、季節の移ろいと時代の変化がしっかり感じられますね。