鶴岡市立湯野浜小学校(伊田美紀校長、児童79人)の伝統行事「砂の造形大会」が11日、学校近くの湯野浜海水浴場で開かれました。全校児童が学年をまたいだ3つの班に分かれ、イルカやシュモクザメ、ウツボといった海の生き物をテーマに砂のアートを制作しました。
この大会は1978年から続く恒例行事で、地域の自然に親しみ、創造する楽しさを学ぶとともに、縦割り班の中で協力し合うことで思いやりの心を育てることを目的にしています。
48回目を迎えた今年は、1~6年生が3班に分かれ、テーマの決定や水かけ、造成などの役割分担をして臨みました。大会前には、同市下川の建設会社・山本組の協力で砂浜に盛られた砂山を、5・6年生が下準備としておおまかに削って形を整えました。
各班は砂山の周囲にシャベルで溝を掘り、海水で砂を固めながらスコップやこてを使って細かく成形。風で崩れないよう、水を混ぜたのりを全体に振りかけて仕上げました。
このうち、ウツボを作ったCグループは、黒い画用紙のサングラスと銀紙で作った牙を付け、“海のギャング”らしさを表現。大きく体をうねらせた姿は、見学していた人々から「よくできているね」と感嘆の声が上がりました。
一方、シュモクザメを制作したBグループのリーダー、本多紗耶さん(12・6年生)は「背びれは段ボールを埋め込んで形を整えました。デザインは6年生全員で考え、下級生と力を合わせて上手に仕上げられたと思います」と話していました。
3つの砂のアートは、自然に崩れるまで湯野浜海水浴場で見ることができます。
子どもたちの手で形づくられた砂の生き物たちは、浜辺を訪れる人たちに笑顔と驚きを届けてくれそうですね。伝統行事として、地域の自然と子どもたちの創造力がしっかり息づいています。