加茂水産高校(小山和彦校長、生徒59人)の「総合実習航海出港式」が16日、鶴岡市の加茂港で行われました。海洋技術系2年生の7人が漁業実習船「鳥海丸」に乗り込み、日本海沖を中心にスルメイカの資源調査やカニ籠漁などに取り組みます。
出港式には、実習生と指導教官2人、鳥海丸の倉本照幸船長と乗組員14人、実習生の家族、そして同校の全校生徒を含め、約100人が集まりました。小山校長は「約60日間の待ち望んだ航海実習が始まります。期待や不安もあると思いますが、高度な技術をしっかり身につけてください」と激励しました。
実習生の佐藤星矢さんは「船乗りになるのが目標です。仲間と協力して学び、この2カ月の経験を将来に役立てたい」と決意を語りました。実習生たちは鳥海丸に乗船し、岸壁で見送る家族や全校生徒に手を振りながら、港を後にしました。
2011年に就航した現在の鳥海丸は5代目で、総トン数約233トン、全長44.82メートル。かつてはインド洋や太平洋で約3カ月間、マグロの遠洋漁業実習を行っていました。加茂港の土砂堆積のため、近年は酒田港から出港していましたが、しゅんせつ工事が完了し、今回は10年ぶりに加茂港からの出発となります。航海実習は11月9日まで行われ、途中、新潟港と下関港に寄港する予定です。
若い挑戦者たちの船出に、港全体が温かいエールを送っていました。荒波を越えて培う経験が、未来の船乗りたちを大きく成長させてくれそうです。