番組情報

灯台の未来を語り合う”海と灯台サミット2023”【海と日本プロジェクトin山形 2023#23】

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「海と灯台プロジェクト」を推進する一般社団法人海洋文化創造フォーラムと日本財団は、2023年11月4日(土)、東京ポートシティ竹芝(東京都港区)にて「海と灯台サミット2023」を開催しました。
第一部はシンポジウムで、「灯台を巡る、という人生の楽しみ方ががある」をテーマに、13名の有識者による提言や活発な議論が交わされ、来場者200名に加えYouTubeライブ配信を240名が視聴。第二部は情報交換会で、灯台利活用に関心を持つ自治体・企業担当者などが参加しました。共催の日本財団 海野光行常務理事は、参加者や視聴者に「今後さらに連携して、灯台の価値を調査して再発見すること、灯台を生かす新しい価値創造に取り組んでいきましょう」と呼びかけました。
シンポジウムはYouTubeでアーカイブをご覧いただけます。 https://onl.tw/7dtb92n
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

「海と灯台サミット2023」登壇者。灯台ポーズで、合言葉は「とうだい!」

海と灯台サミット2023」登壇者。灯台ポーズで、合言葉は「とうだい!」

150年以上、海の安全を守り続け、今その役割が広がりつつある「灯台」。その奥深い魅力や新たな可能性について、異業種・異分野の有識者や「海と灯台のまち」参画自治体の担当者、灯台利活用に取組む団体や個人、灯台に興味を持つ企業や一般の方々などが集い、多様な視点から語り合う。11月1日が「灯台記念日」であることにちなみ、2020年に日本財団が海上保安庁とともに設定した「海と灯台ウィーク」(11月1日~8日)のメインイベント。

【開催日】2023年11月4日(土)

【開催方法】東京ポートシティ竹芝(東京都港区)でのリアル開催に加え、YouTubeライブ配信

【参加人数】開場参加 約200名、YouTubeライブ視聴 約240名

【主催】一般社団法人海洋文化創造フォーラム

【特設サイト】

https://toudai.uminohi.jp/toudai-week2023/week-summit.html

■開会にあたって~日本財団 笹川陽平会長のビデオメッセージ(要旨)

笹川会長は犬吠埼灯台(千葉県)からのビデオメッセージで、まず、第1等フレネルレンズや霧信号所の機能や、犬吠埼灯台が国の登録有形文化財であること、来年、点灯150周年を迎えることなどを紹介。

「灯台は、日本の近代化を支えた立役者。その存在感の大きさから、世界中で小説や映画のモチーフとなっています。『海と灯台ウィーク』や『海と灯台サミット』をきっかけに、多くの方々に灯台に興味をもっていただければ嬉しいです。本日は、皆様の活発な意見交換を楽しみにしています。」と語りかけました。

■開会にあたって~海上保安庁 石井昌平長官のビデオメッセージ(要旨)

「四面を海に恵まれた我が国は、海から様々な恩恵を受け、海とともに発展を遂げてきました。海上保安庁では、船舶が安全に航行するための「道しるべ」となる灯台を管理しております。『海と灯台ウィーク』期間中、海上保安庁では、日本財団と共催し、全国各地で灯台の一般公開や、灯台の歴史資料の展示や業務紹介等のイベントを行っております。この機会に灯台へ足を運んでいただき、灯台の魅力や、海上保安庁の業務についてご理解をいただけますと幸いです。」

  • トークセッション【1】テーマ「灯台を巡る体験価値」

トップバッターとして登壇したのは、モーターマガジン社で「月刊オートバイ」などの編集を担当する岩瀬孝昌さんと、テレビ番組や映像ソフトの制作を手掛けるディーポートインターナショナルの浅野克己さん。まず、岩瀬さんが「バイク乗りは、常に行き先を探している。私は『灯台守』にかけて、バイクで灯台を目指して走ることを『灯台乗り』と名付けたい。道中の海の景観や食事処、温泉なども含めて提案し、流行らせたい」と発表。浅野さんは「とても共感する」として、「私も今日、『灯台王』と題するテレビ番組企画を考えてきた。ゴールを灯台とする旅番組で、灯台の魅力を伝えつつ、立地する地域や歴史などを紹介する内容。岩瀬さんのお考えと通じる点が多い」と、「灯台を巡る体験価値」をいかに雑誌やテレビの企画として伝えるかに関する話に花が咲きました。また、岩瀬さんは「バイクで長距離を走って、岬にたどり着いた時、灯台があるかないかで達成感が全然違う。バイク乗りの皆さんに提案していきたい」、浅野さんは「灯台が航路標識という役割を終えても、カフェや観光名所として活用されると、その灯台にとっての第二の人生が始まる。その実現に向けて、テレビディレクターとして一役かえたら嬉しい」と、今後のご自身の仕事における灯台利活用に向けた意欲を語りました。

  • トークセッション【2】テーマ「灯台というロケーション価値」

続いてのトークセッションには、イラストレーター・エッセイ漫画家・キャンプコーディネーターのこいしゆうかさん、内閣府クールジャパンプロデューサーの陣内裕樹さん、地理女net代表・日本地理学会員の森順子さんが登壇。こいしさんは、「灯台はキャンプとの相性が抜群。海の絶景に加え、日の入り、日の出の両方が見え、地球を感じられる。人が少ないので自分だけの過ごし方ができる」とし、「灯台もと明るしキャンプ」と題した描きおろしイラストを発表しました。森さんは「地理的視点から見た灯台の楽しみ方」として、灯台が立つ場所の地形や海・川などとの関係性は非常に興味深く、それらを学ぶまちあるきツアーは観光はもちろん、教育の分野でも可能性があると提案。陣内さんは二人の発表を受け、「灯台は、日本の端っこのアイコン。灯台を絡めたキャンプやまち歩きツアーを通じて端っこの地域が活性化することは、日本全体の活性化につながる」と延べ、さらに「取り組みを成功させるための法則として、作ること、伝えること、分析には3:6:1の割合で取り組むことが肝要。」とアドバイスしました。

  • トークセッション【3】「灯台に宿泊するという体験価値」

 トークセッションの最後には、OUTDOOR TRIP株式会社 代表の南畑義明さん、株式会社BLANC 取締役副社長COOの安部孝之さん、株式会社文藝春秋 CREA編集部 副編集長の菊池聡敏さんが登壇。南畑さんは昨年度から和歌山県串本町の有志たちと取り組む「潮岬灯台旧官舎のホテル化事業計画づくり」について説明し、「実現できたら日本初。灯台の建設や運用に携わった人々の努力や歴史も伝える施設にしたい。それらを知ることで、目の前に広がる海の見え方が変わるだろう」と語りました。安部さんは参考事例として、自社が取り組む「国立公園などでのトレーラーハウスを使ったホテル事業」の概要を紹介。南畑さんに対し「お客様は非日常を求めている。灯台は人工物でありながら、非日常的で、旅、宿との相性がいいと思う」とエールを送りました。また、菊池さんは、「最近のトレンドは『その旅だけの体験、私だけの体験』、『リトリート』。潮岬灯台ホテルの事業構想にはどちらの条件も満たされているので、期待がもてる」とし、「実現の暁にはぜひ取材を」と南畑さんに期待を寄せました。

  • 講演「海外の灯台利活用について」「海と灯台学研究の体系化に向けて」

続いては、オンラインによる講演です。まず、出雲日御碕神社(島根県)からのZoom中継で「灯台どうだい?」編集長 不動まゆうさんが登場し、フランスやイギリスの灯台ホテルの事例を写真とともに紹介。「私が過去に泊まった灯台ホテルでは『いいニュースです!WiFiはありません。運がいいと嵐がきて、嵐の中から海を見られます』とアピールしていた。現代の生活の便利さと異なる環境が『特別な体験』になり、頭の中を浄化させるマインドフルネスな時間をすごせる…として人気を呼んでいる」と語りました。

もう一人、北海商科大学の池ノ上真一教授は、北海道の近代を象徴するシンボル・札幌市時計台からZoom中継。「実は灯台は、海と人をつなぐ存在。学問としてより深めたい」として、「海と灯台学」創設構想を発表。1.灯台の機能(なぜ灯台がそこにあるのか、どのような機能をはたしてきたのか)、2.灯台のある風景(建築、土木技術、建材等としての価値、運営保守、近代以前は信仰の対象でもあった)、3.人と海との関係(人類はまだ、海と関係性を築いているとは言えない。ヘリテージは人類をいかに幸せにするかというご先祖様からのDNA。そのゲノム解析をすべき」という3つの視点について解説しました。

  • 海と灯台プロジェクトの取り組み紹介と今後に向けて:日本財団 海野光行常務理事

シンポジウムの最後には、長年にわたり「海と灯台」に関する取り組みを推進する日本財団 海野常務理事が登壇。有識者発表の内容を振り返り「バラエティに富んだお話の数々に大変刺激を受けました。日本には約3000基の灯台がありますが、灯台ごとに、海と日本、海と地域との関わり方は異なり、そういった固有の価値を再発見して発信していきたい。そうすると、お城やダムが好きな人が全国を巡るように、灯台巡りを通じて海に関心を高めていく、という新しいムーブメントにつながりそうですね。私自身も実は今月、スコットランドの灯台ホテルに泊まりに行く計画をたてています。海外における灯台のユニークベニュー化(特別な意味や空間づくり)を日本でも実現できるよう、これから尽力したいと考えています。」と語りました。

また、「海と灯台プロジェクト」が昨年度から取り組む「新たな灯台利活用モデル事業」や、「海と灯台アクション・マンダラ」を紹介し、「重要なのは、異分野・異業種の視点と、連携です。灯台巡りを楽しみながら、海に想いを馳せ、海のことを知り、地域のことを知り、そして人生を豊かにする、そんな灯台の利活用に向けた取り組みを進めてまいりましょう。」と参加者、視聴者に呼びかけました。

  • 全国から集まった参加者が「海と灯台とともにある未来」について活発な意見交換

シンポジウム終了後、登壇者と、全国各地から集まった「海と灯台のまち」自治体担当者や灯台利活用に取り組む団体の担当者、灯台に興味関心を持つ企業担当者などによる情報交換会を実施。「海と灯台ウィーク」関連イベントを実施していた佐田岬灯台(愛媛県)、入道埼灯台(秋田県)、野間埼灯台(愛知県)の各会場との生中継も行いました。シンポジウムやイベント生中継に刺激を受けた参加者は、灯台利活用に関する意見交換や、お互いのまちでの取り組み・課題に関する情報交換などを活発に行いました。

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