美しい景観を見せる2つの砂防堰堤。
六淵砂防と瀬場砂防の堰堤です。
庄内町の頂、月山を水源とする立谷沢川は、山間の豊富な湧水を集めながら最上川と合流し、やがて日本海へと注ぐ全国有数の名水です。
この川は、かつて大雨が降るたびに洪水や氾濫を繰り返した「暴れ川」で、流れでた土砂は酒田港にまで到達したという言い伝えもあるほど。
洪水で川の水が溢れかえっていた音を昔の人は、龍が暴れていると語り、暴れる川を鎮めるために建てられた石碑が今も残されています。
そのため、大雨の被害から近隣住民を守るため、砂防堰堤を整備し、立谷沢川では約50基の砂防堰堤があります。
私たちも上流に住んでいる者として昔の自然環境に戻せるように考えていかないといけないと佐藤さんは語ります。
立谷沢から流れたきれいな水の海に、子どもたちが遊びに行って泳ぐことができたら良いという願いも込めて…。
紹介した六淵砂防堰堤と瀬場砂防堰堤は平成29年に国の有形文化財に登録されています。
かつての暴れ川は、砂防堰堤によって静かな流れを保っているのです。