山形県鶴岡市にある小さな漁港、小岩川漁港。ここには漁師たちを守る二つの灯りがあります。
この港は日没後の入港が特に危険な場所、その理由は港の出入口の両脇に続いている岩場です。
暗い夜には岩の場所を判断するのが難しく、みちしるべが必要なのです。
その道しるべとして昭和四十年ごろ、山の上と港近くに一つずつ小さな灯台が作られました。
漁の帰り、漁師たちは山の上と港近くの二つの灯台の灯りがまっすぐ重なるように船を操縦し港へ向かいます。
これが漁師たちが「合わせ」と呼ぶ灯台です。
漁師の本間鋼太郎さんは、「合わせ灯台はこの港になくてはならない」と話しました。
先人の知恵は、今でも海と共に暮らす人々を守り続けています。