吹き付ける暴風、
舞い上がる地吹雪、
荒れ狂う海、
何度雪かきしても際限なく降り積もる雪、
鳴り響く雷(雷といえば夏のイメージですが、日本海側は冬の雷が有名なんです)・・・
とかく厳しい!寒い!冬を迎える山形県の海側・庄内地方で、小寒から節分までの「寒の時期」に
獲れる、脂がたっぷりのった真鱈は「寒(かん)だら」と呼ばれ、冬の旬の味覚として親しまれています。
寒だらを使ったメニューといえば何といっても「どんがら汁」!
(「寒だら汁」とも呼ばれます)
「どんがら」の由来は「胴」と「殻(ガラ)」といわれており、その名のとおり頭や骨、内臓など
寒だらをまるごと1匹豪快に煮込んだ、長く厳しい冬を耐える人々の心と体をアツくする郷土料理です。
この時期にはスーパーでどんがら汁をつくるためのセットが販売されるほど。
各家庭で具材や味付けは異なりますが、味噌をベースにした汁でぶつ切りの寒だらと豆腐や長ねぎを
煮込み、白子と岩海苔を添えるのが基本の作り方。
出汁を入れなくても殻やアブラワタ(肝臓)から深みのある風味が出るので、味付けはとってもシンプル。
どんがら汁を屋外でふるまうイベントも毎年開催されており、冷えた体を大きい鍋で煮込んだ汁で
温めるのが庄内の冬の恒例行事となっています。
寒の時期も昨日でおわり。暦の上ではもう春ですが、まだまだ庄内は冬本番。
2月いっぱいは美味しいどんがら汁が食べられそうです。