庄内沖の底引き網漁が1日に解禁されました。鶴岡市の県漁協由良総括支所では、水揚げされた魚を漁業者の方々が仕分ける様子が見られ、由良漁港は2カ月ぶりに活気に包まれました。一方で、燃料費の高騰に加え、海水温の高さが漁獲に及ぼす影響に不安の声も上がっています。
底引き網漁は毎年9月から翌年6月まで行われ、資源保護のため7月と8月は休漁期間となっています。
この日は午前1時ごろ、由良総括支所から5隻の底引き網漁船が出港し、沖合およそ20キロの海域で漁を行いました。午後3時過ぎには船が順次帰港し、魚がぎっしり詰まった箱が次々と下ろされ、午後5時の競りに向けて漁業者が魚種や大きさごとに仕分け作業に追われていました。
水揚げされた魚は、マダイやヒラメ、ノドグロ、エンショウガレイ、カワハギ、アマダイ、アンコウ、カナガシラなど多彩で、中には高級魚アラの姿も見られました。
午後3時半すぎに帰港した第8長寳丸の佐藤隼人船長(53)は「漁の初日としては水揚げが少なく、良いスタートとは言えません。海水温の高さが影響していると思います。今後は水温が下がることで漁獲が増えるのを期待しています」と話しました。
また、仕分けをしていた漁業者の一人は「この3、4年ほど、クチボソガレイが近場でも沖合でもまったく取れなくなりました。高い海水温が原因なのは間違いないでしょう。庄内浜の魚の中でも特に美味しく、自慢できる魚なのですが」と残念そうに語っていました。
漁の解禁で港に活気が戻ったのは嬉しいことですが、やはり気になるのは温暖化による海の変化です。庄内浜自慢の魚たちが、これからも食卓に並び続けるよう願いたいですね。