自然の循環を体で感じる環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット)」の鳥海山大会が24日、遊佐町を舞台に開かれました。参加者は日本海から鳥海山山頂へと、カヤック、自転車、登山で挑み、それぞれのゴールを目指しました。
このイベントは、アウトドアを通して海・里・山を自らの力で進み、自然環境を見直すことを目的に2009年から全国各地で開催されています。アウトドア用品大手「モンベル」(大阪市)が特別協賛しており、シングル・チーム参加のほか、1種目だけの出場も可能で、自由度の高い大会として人気を集めています。
鳥海山大会は、遊佐町や酒田市のNPO法人元気王国などで構成する実行委員会が主催し、酒田市や秋田県にかほ市、由利本荘市などの後援を受け、2年ぶりに実施されました。
大会には全国から105人が参加。午前5時半に遊佐町・西浜海岸をスタートし、約4キロのシーカヤックを終えると、自転車で約21キロ先の秋田県にかほ市・鉾立登山口へ。そこからは登山に切り替え、石畳や急坂が続く道を登り、第1ゴールの御浜神社(標高約1700メートル)、さらに第2ゴールの鳥海山大物忌神社(同2160メートル)を目指しました。
第1ゴール地点の御浜神社には、午前8時半ごろから続々と選手が到着。山頂まで挑む人や御浜でゴールとする人など、それぞれの達成感に満ちた笑顔が見られました。
シートゥーサミット連絡協議会理事長で、モンベルグループの辰野勇代表(78)は御浜でゴールした際「気持ち良かった。最高」と爽やかな感想を口にしました。大阪府から参加した畑中規秀さん(65)は「鳥海山は2回目。今回は景色をじっくり楽しみたくて御浜をゴールにしました。日本海から山頂へ、標高が上がるにつれて景色が変わるのが本当に素晴らしい。体が元気なうちは参加したい」と語りました。
また、前日の23日には町内の鳥海温泉「遊楽里」で環境シンポジウムが開かれました。来月7日には、西川町を中心とした実行委員会による「月山シートゥーサミット」も開催される予定です。
海から山へ、自分の力でたどる達成感は格別ですね。自然の大きな循環を体で感じられるこの大会は、環境や地域の魅力を改めて考えるきっかけにもなりそうです。